Basic

 まずテクニックを語る前に、基本的な確認をしてみて下さい。
 オートバイに乗る時の服装、装備はどうでしょう?夏の暑い時はどの様なライディングウエアーで乗車していますか?冬は?
 最近夏場によく見かける、顔丸出しのハンキャップ、半袖、タンクトップ、短パンにセッタ履き、ノーグローブ、皆さん心当たりはありませんか?どうせ乗るなら安全に疲れずに満喫したいものです。
 なぜこの様な格好がいけないのか、解りますよね?どれもこれも肌を露出している事に問題有りなのです。「転んだ時に危ないからだろう?俺は絶対転ばないから大丈夫」などと思っている方は居ないでしょうね?確かにそれも有るのですが肌を露出していると、太陽に直焼きされるは、風により必要以上に体温が奪われて疲れる結果になります。短パン、セッタ履きは論外、完全にライダー失格です。半キャップヘルメットも流行っていますが、転倒の際絶対に頭を守れませんし、ゴーグルすらしていない人は目に突然何か飛び込んだらどうなるのでしょう、色々考えただけで恐ろしくなります。
 今では色んなメーカーからその季節に合ったアパレルがたくさん販売されています。夏の盛りならばグローブからウエアーまでオールメッシュの物が販売されてますし、冬は冷気を遮断してくれるウエアーも販売しています。冬でもノーグローブの人を見ますが危険きまわりないです。
 個人的には冬でもオートバイに乗ってツーリングに出かけていますが、上から下まで完全防備なので全然寒くなく快適にツーリングを楽しんでいます。専用のライディングウエアーは転倒の際身を守るだけでなく快適にライディング出来る様考え尽くされて作られていますので、上記に当てはまる方は是非検討してみてください。

The first < スロットル.ワーク >


 
ちょっと余談。 昔から不思議に思っているテクニック?が有るのですが、俗に言うダブルアクセルっていったい何なんでしょうね、シフトアップ時クラッチを切ってる時に1〜2回アクセルをあおる事らしいのですが、音で表現するとボー、ヴォヴォッ、ボーっていう感じかな?加速したい時にわざわざ回転を下げて失速してどうするの?と私は思うのですが、まったく意味が無く、なにより何か族車っぽくてカッコ悪いので、個人的に「まともなライダーだと思っている方には是非ともやらないでいただきたい」と思います。
 それでは本題に入りたいと思います。
あながち上の話と無関係ではないのですが、クラッチを切った瞬間にスロットル(アクセル)を軽くあおるというテクニックなんですが、「おい、それじゃさっきの話と変わらないじゃないか」とお思いの方も居るでしょうが、シフトアップ時ではなくシフトダウン時に行うテクニックなんです。
 コーナーの進入時に皆さんは減速と同時にシフトダウンをしていると思いますが、何の為にシフトダウンをして低いギヤに切り変えているのでしょうか?エンジンブレーキを最大に使って減速をする為でしょうか?答えはNOです。コーナー進入時のシフトダウンはコーナリング中に最適な回転域でバイクに適度な負荷(この場合はスロットルを軽く開け、少し加速する事)を掛ける事により車体を安定させる意味と、より速くコーナーを立ち上がる為に行います。コーナー進入時にただ闇雲にシフトダウンを行うと極端なエンジンブレーキが掛かりギクシャクして安定感を失いかねません。さあここでやっと先ほどのテクニックが役に立ちます。ここから先は頭の中でオートバイに乗っているイメージをしてください。
 ストレートを6速で直進、目の前のコーナーはかなり曲がりがきついので2速まで落とさなければなりません。コーナーはすぐ目の前です一気に2速まで落としクラッチを繋いだらリア.タイヤが悲鳴をあげてロックしてしまいます。6速〜5速、5速〜4速、4速〜3速、3速〜2速、この「〜」の間クラッチを切った瞬間にスロットルを開けシフトダウン時の衝撃を緩和してやれば、ふらつく事も無くキッチリ2速まで落としコーナーに進入出来ると思います。このテクニックはさして難しいテクニックではありませんが、どのくらいの速度で何速から何速へシフトダウンしたらどれくらいスロットルを開け回転を合わさないといけないのかは経験で憶えるしかありませんので、最初のうちは高めのギヤ(4速以上)で練習してください。くれぐれも無茶をしない様お願いいたします。


The second < ノークラシフト >


 ノークラシフト何の事か解りますか?訳さず言えば「ノークラッチ.シフトアップ」と言うことなんですが、まだチンプンカンプンの方は下を読んで下さい。
 シフトアップは解りますよね、ギヤを1〜2〜3〜と上げていく事ですね。それではノークラッチとは、読んで字のごとくクラッチを使わないということです。「えー、クラッチを使わないでどうやってギヤチェンジをするの」と思われる方も居ると思いますが、メカニカルな点から説明をして行きます。・注-ニュートラルからロー.ギヤへの変速の時には使えないテクニックですので(危険)注意してください。それと四輪車では構造上出来ません。
 ミッション(ギヤ)の構造から説明します。四輪車に採用されているミッションはドック式と言って、シフトチェンジをする際にギヤにギヤを飛び込ませて変速をしますが、二輪車に採用されているミッション型式は「常時噛み合い式」と言って、ローギヤからトップギヤ全てのギヤが常時噛み合って回っています。四輪と違いギヤを別の所から飛び込ますのではなく、噛み合ったまま伝達経路を変える事で変速をしています。
 二輪は上記の構造からギヤをちょっとスライドさせるだけで変速出来る構造を備えています。この構造のお陰でクラッチを使わなくてもシフトアップが出来るのです。ただし、エンジンの回転とミッションの回転が合わないと難しいので、コツをちょっと説明します。
 慣れないうちは3〜4速以上でやってみてください。スロットル(アクセル)を開け加速している最中に、シフトペダルの下から上に力を少し入れてテンションを掛けておき、その時スロットルを少し閉じて(戻す)みてください。堅かったシフトペダルが軽くなりカチッとギヤが入るはずです。シフトアップしたらすぐにスロットルを開け加速をするという繰り返しでシフトアップしていきます。(ちゃんと加速していない時はギヤが入りにくいので、やらないで下さい)
 このテクニックが何に役立つかと言うと、クラッチの摩耗を抑える事と、エンジンオイルの劣化防止にも多少役立ちます。それよりも長距離を走った時にクラッチを握る回数をかなり減らせるので疲労がかなり違ってきます。ミッション、エンジン共にノーダメージですからご安心を。
 本来の目的はタイムロスの無い鋭い加速をする為のテクニックなのですが、楽に走るが一番。それとシフトダウンの時にも使う気になれば使えますが、回転を合わせるのが難しいし、ミッションにいいことが無いのでやらない方がいいですよ。クラッチ.ワイヤーが切れた時などには有効なテクニックかも?


The third < フートレスト >


 フートレストもしくはフットレストと言いますが、さて何の事でしょう?俗にステップと呼ばれている足を乗せているバーの事なんです。「そんな物にテクニックなんか有るのか?」と怒られそうですが、まあそう言わずに先を読んでみて下さい。
 貴方は普段オートバイに乗っている時、足はどういう状態にありますか?(この場合の足とは、足首から下の部分の事です)何気ない事なのでよーく思い出して下さい。フートレストに足の裏どの部分で乗っていますか?つま先は何処を向いていますか?普段一般のライダーのライディンフォームを視ていて気が付いたのですが、オートバイの後から視ているにも関わらず、靴底がよーく見える人、そんなにフューエルタンクの幅が広くも無いオートバイにも関わらず、膝が大きく外に開いている人、お尻が左右どちらかに片寄っている人、等々、なんで人それぞれライディングフォームがバラバラなんだろうと考えてみたところ、フートレストへの足の乗せ方のせいだろうと私なりに結論が出ました。以上の事は普段何気なくやっている事なので意識を持たないと、癖になってなかなか抜けなくなります。なぜいけないかどうすればいいかは、これから説明します。
 つま先をだらしなくペダルの下に垂らしっぱなしの人は、その内目一杯痛い思いをする確率が高いです。左のつま先を下げっぱなしだと路肩を走行中縁石に足をぶつけ指を骨折もしくは転倒。右を下げっぱなしだと、とっさの時にブレーキが踏めず追突。
 膝を外に開いている人は、車体が大きく振れた時又は急ブレーキを掛けた瞬間オートバイから投げ出される危険性大。
 お尻がずれている人は、真っ直ぐ走り難い、右左どちらかのコーナーが苦手になる。
以上の欠点を克服するのはとても簡単です。まずオートバイに乗車したら意識してつま先をまっすぐ前に向ける事、ただこれだけの事です。今までつま先を外に開く癖のある人はちょっと内股ぎみにしてみてください。つま先を意識すると、ペダルの下につま先が下がりっぱなしという事は無くなると思いますし、膝は絶対外に開かないはずですし、お尻がずれている違和感も感じ取れることと思います。とっさの時にリヤブレーキもすぐに踏めます。


The fourth < レバー&ペダルseting > 


 フートレストの項でも記した、つま先の向いてる方向にも関連する項目だと思いますが、つま先があっちこっち向いている人のオートバイのペダルの位置はその人に合っているのでしょうか?もしかすると、ペダルの上につま先を載せていると足首が窮屈で辛いという事はないでしょうか?そういう方は是非ともブレーキペダル、シフトペダルの上下の位置を変えて楽に使える様セッティングして下さい。ブレーキレバー、クラッチレバーも上下左右、自分の使いやすい位置に合わせてみればかなり乗りやすくなると思います。レバー、ペダル共になるべく手足に無理がなくしっかり力が加わる様何度か位置を変えて試して下さい。絶対自分の好みの位置が有ると思います。


The fifth < ブレーキング >


 自動車学校で、ブレーキングはコーナーの手前で終わらせ、コーナリング中はブレーキを掛けてはいけないとほとんどの方が教えられたと思いますが、実際公道を走行中に必要に迫られてコーナリング中に減速をしなければいけない状況も多々あると思います。そういう状況の時貴方はどうしていますか?スロットルを戻してエンジンブレーキで減速をする?なりふりかまわず前後ブレーキを掛ける?両方共あまりお勧め出来ません。高いコーナリング速度中にスロットルを一気に戻すとハイサイドで吹っ飛んでしまうでしょうし、やみくもにブレーキを掛けるのもそれこそ命がけになってしまいます。
 一流のレーサー達はいったいどうしているのでしょう。彼らのコーナリング中の減速は主にリヤブレーキが活躍しています。直進路で試して頂くと解り易いし安全だと思いますので是非とも試して下さい。まず前ブレーキだけを使ってちょっときつめのブレーキングをしてみてください。思いっきり重心が前に移りフロントサスペンションもボトム(深く沈む事)して安定感が削がれると思います。次にリヤブレーキだけを使って同じくちょっときつめにブレーキングしてみてください。さあ今度はどうだったでしょうか?前ブレーキだけの時と違いそんなに不安定にならないと思います。リヤブレーキだけだと挙動変化が著しく出ないのです。この特性を利用してコーナリング中にリヤブレーキを当てることにより安定した減速が出来るのです。(この時に間違ってもスルットルを一気に閉じないで軽く緩める感じで)
 直進中のブレーキングもこの点をふまえてリヤブレーキをフロントブレーキより早めに掛ける事で車体が平均に沈み、フロントブレーキ主体のブレーキングよりも安定して安心の出来るブレーキングが出来ると思いますので、試しにやってみてください。


The sixth < アイ トレース >


 簡単に言うと目線、要は走行中何処を視て走っているか?ということです。アメリカンを除きほとんどのライダーは前傾ポジションの為頭が前屈みになる為どうしても下を向く事になり、結果目線が近くになりがちです。(俗に近目線と言います)
 「私は十分遠くを見て走っている」と言う方がほとんどだと思いますが、本当にいつもどんな時でも遠くを見ているでしょうか?
直進時なら安心して遠くを見ていられるでしょうが、コーナリング中はどうでしょうか?いったい何処を見て走っていますか?ただ漠然と前を見ているだけではいけません。ちゃんとこれから自分が行こうとする方向を向いて走っていますか?
 結論から言うと目線は一定ではいけません。どんな時でもあちこちをチラッチラッと見ているものなのです。それでも意識だけはなるべく遠くを見るようにして一点を見つめず全体をぼや〜っと眺める様に目線を前方に送ってください。足下を見ないと不安な方も中には居るとは思いますが、そういう方は完璧に近目線ですので、是非とも前方に目線を移してください。何故「ぼ〜っと」前を見るのかと言うと、一点集中では周りが見えなくなるからです。信じられない方は試しに前方を「ぼ〜っと」眺め両手を前方から耳の横もしくは後まで移動させ何処まで手が見えるかやってみて下さい。ほとんどの方が耳の横近くまで手が見えていたと思います。今度は前方にある何かを「じーと」集中して見て同じ様にやってみてください、何処まで手が見えましたか?これで解っていただけたと思います。一点に集中するという事は周りが見え難いという事なのです。
 コーナリング中地面が斜めに見えている人、ただ漠然と前だけを見ている人は居ませんか?頭はいつも地面に垂直(右目と左目が地面と平行)でなければいけません。オートバイのバンク角と同じバンクの頭(ヘルメット)では平衡感覚を失い、怖くてコーナーが曲がれません。それと、ちゃんとこれから向かう方向を見ていないとオートバイがきちんと走ってくれません。(向かう方向を目で見るには、鼻先を出口方向に向けると流し目にならず、視野も狭まらずきっちりコーナー全体を意識しながら抜けられるでしょう)目線は平行にきっちりコーナーの出口を見て徐々に加速しながら立ち上がってください。これでコーナーの怖さは少なくなると思います。

The seventh <シッティングポジション>


 皆さんは普段シートの何処にお尻を乗せて走っていますか?はたしてどの位の方が座る位置を考えて走っているでしょうか?自動車学校で教わった通りにステップの上の立ちそのまま腰掛けるポジションが本当に良いのでしょうか?答えは簡単です。普段意識していない事を意識して色々座る位置を試して見る事です。
 よくお尻が右もしくは左にずれたまま直進している姿も見かけますが、あれでは右左どちらか曲がり辛く為りますしましてや急ブレーキ時に危険です。ニーグリップを普段意識していない為どちらかにずれてしまっていますので、是非ともニーグリップの大切さを再確認して下さい。

 コーナリング時の姿勢のパターンは一般に4種類有ります。「リーンウイズ」「リーンアウト」「リーンイン」それとリーンインの発展型の「ハングオフ」(俗にハングオンとも言われます)
 リーンウイズは体とオートバイを同じだけ傾けるコーナリングフォーム、リーンアウトは体は起きあがりオートバイだけ傾けるコーナリングフォーム、リーンインは体をオートバイより傾けてオートバイをなるべく傾けないコーナリングフォームです。この時のお尻の左右のバランスは基本的には中央です。ハングオフはお尻と上半身をオートバイの内側にずらす事により重心を内側にオフセットしてバランスを内側に崩す事によってオートバイのフルバンク時より、より内側に回り込むバランスを与えてやるコーナリングフォームです。
 基本的な知識なのでほとんどの方が知っている事だとは思いましたが、話を先に進める上であえて記しました。
 さて、どのコーナリングフォームでも良いのですが、左右のバランスはともかく前後の着座位置を意識して変えてみたことは有りますか?実はこの前後の位置でオートバイの旋回性能が大きく変わるのです。これから記す事を嘘だと思われてもいっぺん試してみてください。
 街乗りで交差点を曲がる時や、峠道でタイトなコーナーの連続、低速で走行しなければならない様な時(自動車学校の一本橋など)はシートの前側に座ってみて下さい、ハンドルが操作し易くバランスも取りやすくなりますし、連続するタイトコーナーも楽に切り返せる様になります。
 逆に中高速コーナー時には少し後ろよりに座ってみて下さい。(オートバイの特性にもよって着座位置は多少違いますが、シートベルトのちょっと前辺りが良いと思います)オートバイが安定し自分も余裕をもって旋回出来るはずです。(但し二人乗りの時は後ろの人間が充分リヤ加重になっているので逆に不安定になります)色々試して自分に合ったポジションを見つけて下さい。

The eighth <スキップ パワー>


 皆さんはツーリングのあと肩や手首が痛くなったり、足が異様に疲れた経験は有りませんか?
 よくコーナリングなどで初心者の方がハンドルにしがみついているのを目にします。さもすると、直進時でさえ腕にガチガチに力を入れて乗っている人もいます。
 そういう方は一目で疲れそうに見えてしまいます(ご本人は意識していないとは思いますが)。腕が真っ直ぐに伸びて肘にゆとりも無く上半身の重量を両腕で支えてしまっています。この様な乗り方で長距離を走れば疲れたり、あちこち痛くなるのは当たり前です。ここで疲れない方法をお教えしましょう。

 まず前にも記しましたが、レバー,ペダル類のポジションに無理は有りませんか?乗車中ずっと足首に力を入れてつま先を持ち上げてませんか?シフトやリヤ.ブレーキング時につま先を必要以上に下げないと使えない様になってませんか?自然に足を乗せて踏み易く邪魔にならない程度にペダルを調整しましょう。クラッチ、フロント.ブレーキを握る際手首を必要以上に動かさないと握れないレバーではありませんか?自然なライディングフォームで扱い易い様調整しましょう。これでオートバイの方の準備は出来ました。次はライディングフォームのチェックです。
 乗車時どの様に乗っていますか?背筋をピンと伸ばして腕も伸ばして乗ってはいないでしょうか?
 まず背中は猫背の様に丸めて下さい。次に腕は肘にゆとりを保たせて軽く曲げましょう。ハンドルを握る手は雑巾を絞る感じでグリップを外側から斜めに握ります(この様にグリップを握れば、手首を深く曲げなくても一捻りでアクセルが全開に出来ます。肘は内側に絞り込まずちょっと開く感じで)。足はつま先を前に向けてステップ周りにくるぶしが軽く当たる程度に、膝は軽くタンクに添える程度に(ニーグリップも大事ですが、常時タンクを挟む力を入れていては疲れてしまいますので、ブレーキング時とかコーナリング時等必要に応じて直ぐニーグリップが出来る様に添えておきます)。これが基本のライディングフォームです。
何時も何時も力を抜きっぱなしと言う訳にはいきません、ではどの様な時に力を入れどの様な時に力を抜かなければならないかを考えてみて下さい。
まっすぐ走っている時は上記の状態でOKですが、ブレーキング時はバイクが減速すると乗っている人間は前に投げ出されそうになります。この時ニーグリップを意識してタンクを膝でしっかり挟みます。背中を丸めた状態で上体を後ろに引く感じで(腰から上を後ろに)、腹筋に力を入れ上半身を支える様に、この時なるべく腕で上体を支えない様にして腕に負担が掛からない様にして下さい。そうすれば、急ブレーキを掛けても余裕をもって停止出来ますし、コーナーの進入時にもスムースに対応出来ます。コーナリング中は外側(左コーナーなら右側、右コーナーなら左側)のタンクを膝で押さえて自分の体を支え、外側のステップを踏み込む感じで加重を掛けると安定します。
 要は、常時腕の力は抜くようにして腰から下でバイクをコントロールするように、力を使うのはお腹から下の筋肉という事になります。

Cornering <コーナリング>



 まずはコーナリングでやってはいけない事を書きましょう
 良くコーナリング中に地面に膝を擦ろうとお尻を全部内側に落として無理矢理地面に膝を擦っている写真等を雑誌などで見かけます。
 ↑何故これがいけないのかと言うと
 そういう状態ではバイクと人間がバラバラになり挙動変化に対応出来なくなるからです。
 バイクが万が一滑ったら躰が内側に落ちているので滑ったバイクに躰が付いて行きません。
 間違いなく転倒する事でしょう。
 レースなどで膝をコースに擦ってコーナリングする姿を目にした事が有ると思いますが、アレは無理に膝を擦っている訳では無くバイクが極限まで寝ている為容易に地面に届いているだけに過ぎません。
 サーキットの路面は特殊アスファルトで被われており一般道と比べて摩擦が高いのであそこまでバンクさせる事が出来るのですが
 一般道のアスファルトであそこまでバンクさせる事は不可能ですし危険この上ないです。
 ですので皆さんはそういうアンバランスで危険なコーナリングはしない様にご注意下さい。

 それでは本題に入ります。
 前の章にも書いた様にコーナリングの基本も以前書いた章に在る通り出来るだけ力を抜き目線をしっかり向かう方向に向ける事が重要です。
 両方の目の位置は地面と水平に保てる様に、これから向かう(クリッピングポイントに向きます)方向に視線を送るのでは無く、向かう方向に鼻を向ける様にしは方が良いでしょう。
 顔全体をラインの先に向ける事と近くを見ない事が重要です。
 ですからバイクがどんなにバンクして傾いていても頭は地面と垂直に近い事が望ましいです。
 その状態で一点を凝視しないで先へ先へと視線を移して行く様にコーナーを立ち上がります。
 目線を変えるだけで見違える程コーナーを抜け易くなったと思います。

 次は進入時のポイントです
 皆さんはどうやってコーナーを曲がっていますか?
 「そんなの簡単じゃん!バイクを寝かせて曲がってるに決まってるじゃん!」っておっしゃる方がほとんどだと思いますが(笑)
 ではどの様な方法を使ってバイクを傾けて寝かせているのでしょうか?
 これ↑を明確に答えられる人は意外に少ないんですよ実は
 バイクを寝かす為には乗っている人間が必ず何かしらのアクションを起こしキッカケを与えてやらなければバイクはバンクしません。
 では?どの様なアクションでキッカケを与えているのでしょうか?少しご自身で考えてみて下さい。